高齢者体操を盛り上げ100倍効果を高める秘訣を全公開!!
介護医療の現場に22年勤務。作業療法士のわたしが、施設や公民館で高齢者向けの体操を実践してきた経験をもとに、体操が盛り上がる秘訣を惜しみなくお伝えします。
介護事業所や公民館活動で、健康体操をリードする立場のあなたへ、自分が担当の体操に対して、ご参加者の動きや声のリアクションが少なく「盛り上がらないな」「活気がでないな」と感じることはありませんか。体操が終わった後にいつもひとり反省会をしてしまう…
この記事では、明日からすぐに活用できる「体操を盛り上げて、効果も高めるポイント」が満載です。ぜひ最後までお読みくださいね。
高齢者体操とは

高齢者体操が行われている場として、デイサービスをはじめとする介護施設、地域の介護予防教室・サロン、などがあげられます。
例えば介護施設の中では、
- デイプログラムの始まりの体操
- レクリエーションの中での体操
- 食事前の口腔嚥下体操
- 個別機能訓練における小集団での体操
そして公的な地域活動として、社会福祉協議会が中心となって展開する「いきいき・ふれあいサロン」。他に、私の住む大分市では「パワーアップ教室」という3か月短期集中の介護予防事業があります。
そのような集い・通いの場で、高齢者の心身の現状に合わせつつ、健康維持増進のために「体操」が行われています。
高齢者体操の目的

高齢者体操の目的を整理します。
- 健康維持、増進
- 心身機能の維持、向上
- 介護予防
- 生活動作の維持
- 生活リズムを整える
- 日中活動量の確保
- 交流の場、参加の場
- 自己表現の機会
この中に、施設内での体操中に感じとった大切な視点があります。
それは「体操を通じて、ご高齢者は自己表現をしている」ということです。
同僚の作業療法士が体操のリードをしている場面。わたしは見学サポートという立場で同席しました。
ご高齢者が、体の動かせる範囲で思い思いに手を伸ばすご様子を見ていると、まるで舞踊のように、ご自身の意思や自己選択の結果を「身体表現」していると思えたのです。
健康や安全、生活…他者に委ねることが多い中での、「自己表現の機会」。この部分をわたしは高齢者体操の重要な目的として掲げ、その機会を保障したいです。
効果的でおすすめの高齢者体操

ここから、おすすめの高齢者体操をご紹介します。ご参加者の心身状況を踏まえて、姿勢別、部位別、そしてテーマ(雰囲気)別にお伝えします。
- 座ったまま行う体操
- 立位で行う体操
- 下半身を鍛える体操
- 上半身を鍛える体操
- 簡単で専門性が高い体操
- 盛り上がる体操
- 面白い体操
座ったままでできる高齢者体操
体操中の事故を予防するという点から「ご高齢者が座って安全に体操できる」ことを求められる場合も多いです。スタッフもご参加者も安心して行える椅子上での体操、さらに盛り上がりも得られるポイントとしては、ずばり「道具を使うこと」です。
ここでは2つの道具を使った体操をご紹介します
- タオル体操
まず「タオル」ですが、準備がしやすいというメリットがあります。例えば入浴用のフェイスタオルを使う、スタッフ様やご家族様に呼びかけ古タオルを集めるといった方法で準備ができます。
過去に勤務したいずれの施設でも、古タオルの持ち寄りを呼び掛けると、古いどころか未使用の企業名入りタオルが予定枚数以上に集まりました。お持ちよりいただいたタオルを体操専用にする場合は、施設名や体操用と記しておくことで、終了時に起こりうる「このタオルはわたしのです」といった状況が緩和されるかと思います。
さて体操の内容ですが、肩の体操、腹筋トレーニング、バランス運動、握力、ピンチ力、下肢の体操、ストレッチ、目と手の協調運動など体操のバリエーションは豊かです。 - ボール体操
ボールの大きさはドッジボール大が使いやすいです。ご利用者様分の数を集めることと管理することは大変ですが、おすすめは空気の出し入れが可能なトレーニング用ボールです。
使用前には、空気を入れるお手伝いをご参加者の中から募り、終えたら空気を抜くお手伝いを募り役割を持っていただきます。空気を抜くと収納場所を多くとらずにしまうことができます。100均のビニールボールは安価ですが、手触りや、収納、トレーニングへのモチベーションが上がるか?という点から判断して、わたしは好みません。
体操の内容ですが、まずボールの最大の特長はコミュニケーションツールになり得るというところです。まさに「キャッチボール」。そして手にすると、不思議と投げたり渡したりしたくなるという、行動を引き出す道具です。
体操が安全に行えるために腰かけて行う体操をご紹介してきましたが、実際に「生活の中で転倒しない体」を目指している場合、立位でのトレーニングは欠かせません。重力に抗して体を動かしたりバランスを保つことができなければ、転倒してしまいます。
参加者の心身状況によりますが、次に立位での体操を紹介します。
立位でできる高齢者体操
設備の廊下に手すりがある場合や、平行棒というトレーニング用器具がある場合は、立位でのトレーニングが比較的安全に行えます。
また、公民館や集会場で行う体操の場合は、腰掛の背に手を添えることでバランスを取りながら体操が可能です。
- 立ち座りの反復体操
- 左右のバランス体操
- 前後バランス体操
- 上下の重心移動(両手放しでのばんざい)
- 上体をひねる体操
- かかと上げ運動
- 片足立ち
- 足踏み
下半身が鍛えられる高齢者体操
筋力をつけるためには、ある程度の負荷が必要です。ここでは自分自身の体をおもりにする下肢の体操方法をお伝えします。
- 腰かけた状態で、両手を太ももに置き上半身の重みで押さえる。その重みを跳ね返すように太ももを持ち上げる。反対も同様。
- 同じく腰かけた状態で、手を膝の外側に添える。手は足を挟み、足は開く方向へ力を入れると、太ももの外側が鍛えられる。
- 腰かけた状態で、クロスした手を膝の内側に添える。手は足を開く方向へ、足は閉じる方向へ力を拮抗させる。
- 自分自身のすねに、反対足のふくらはぎをのせる。上の足は膝を曲げる方向に、下側の足は膝を伸ばす方向へ力を入れる。
上半身が鍛えられる高齢者体操
着替え、洗髪、洗身、調理など生活の動作には肩や腕など上半身を使う場面が多いです。棒を使うことで、上半身の体操に目新しさやバリエーションが加わり、盛り上がります。
棒体操の例として
- 両手で棒を持ってバンザイ体操
- 棒を首の後ろにあて胸を張る体操
- 棒を背中側で斜めに持って肩のねじれの体操
- 肘の曲げ伸ばし
- 手首の曲げ伸ばし
- 棒を片手で縦に持ち、尺取虫のように指だけで上下させる手指の体操
- 足の下を八の字にくぐらせる重心移動、または足の体操
- 棒を両手て横に持ち、構えたその高さまでももを上げる体操
- 棒で足先を指し示し、つま先でタッチする膝や足首の体操
- 棒を使って肩や背中、ふくらはぎの軽いタッピング
簡単かつ専門性の高い高齢者体操
過去、施設での勤務時代、1か月替わりで様々な体操を行うという計画を立てていました。ネタ探しに奔走する中で、ご当地体操に出会いました。各自治体、介護予防のための体操を作ったり紹介したりしています。
自治体の提示している体操のメリットは、
- 専門職の監修のもと作られている
- 体操の目的が明記されている
- 方法や回数の説明が分かりやすい
- 写真図解付きのものがダウンロードできる
といったことがあげられます。
わたしの住む大分県では「めじろん元気アップ体操」というものが考案され、介護用棒体操として活用されています。
重要な体操がセレクトされており、心身状況に合わせた段階づけもなされており、おすすめしたいご当地体操です。専門職監修の体操の説明文に目を通し、ご高齢者と一緒に実践することは、わたしたちの介護予防スキル向上のための学びにもなります。
盛り上がる高齢者体操
楽しさや盛り上がりを特に求める場合、歌や音楽、BGMに合わせたダンス体操がおすすめです。リズムがあり明るい歌が好まれます。中でも人気がありおすすめの歌10選を紹介します
- きよしのズンドコ節
- 365歩のマーチ
- 上を向いて歩こう
- 川の流れのように
- ああ人生に涙あり
- 瀬戸の花嫁
- 青い山脈
- ソーラン節
- 高原列車は行く
- マツケンサンバ
10曲とも体操や振付のついたものが、動画で一般公開されていますので、そちらをご覧ください。
おもしろい高齢者体操
「ご高齢者の笑顔や笑いを引き出したい。」そのような場合におすすめな体操がこちらです。
- 笑いヨガ
笑いヨガは、笑いを呼吸と見立てた健康体操です。無理に笑う必要はなく、吐く息を「ハハハハハ」というかけ声に置き換えます。笑いの効果は科学的に実証されており、今後ますます世に求められ、拡がっていくと考えます。 - コグニサイズ
コグニサイズは、脳(認知課題)と体(運動課題)を同時に刺激し、認知機能の維持・向上を目指す運動プログラムの総称です。例えば、足踏みをしながら3の倍数で手を叩く、しりとりをしながらスクワットやストレッチを行うといったものです。
所要時間ごとにおすすめの高齢者体操

現場では、様々な場面や時間に応じて体操が求められることと思います。予定していた体操時間が、前後のサービスとの兼ね合いによって短くなるといった場面もあるでしょう。
ここでは、「持ち時間別 体操の組み合わせ」をお伝えします。
5分でできる高齢者体操
場面としては、会の始まりのあいさつに合わせて行う、といったところでしょうか。
心身のスイッチをオンにして、活動的に過ごそうという気持ちがわくような伸びやかな動作が向いていると考えます。「始まりはこの歌」と音楽つきの体操をひとつ定番として決めておくこともおすすめです。
10分でできる高齢者体操
場面としては、主に食事前の口腔嚥下体操を想定しています。
- 深呼吸5回
- 首を左右上下、左右に振り向く各10秒
- 肩の上げ下ろし10回
- 肩回し10回
- 手指の体操1~10指折り数え
- あいうべ体操5回
- 舌で唇をなめる右回り左回り各3周
- 唾液腺マッサージ10秒間
- 骨盤を起し胸を張る10回
- 深呼吸5回
⑨の後に、時間や場面に応じて膝伸ばしや踵上げが入れられると、短時間ながらもさらに充実したメニューになります。
20分でできる高齢者体操
20分程度の体操場面を考えた際、レクリエーションプログラムの1部として、または口腔体操と合わせて全身の体操を行う、昼からの活動の開始として用いるといったイメージです。
おすすめの組み合わせ例
- 上下肢から体幹までの全身体操とコグニサイズ(足踏み引き算など2~3種)
- 口腔体操とBGMに合わせたダンス体操
- タオル体操や棒体操(道具の受け渡しをコミュニケーションの機会と捉え丁寧に)
30分でできる高齢者体操
30分以上のプログラムは、体操そのものがメインといえるでしょう。
目的に応じた内容の選択が必要ですが、とりあえず明日が体操の担当でなんとか準備しなければならない、という現状の方もいらっしゃることと思います。
30分ある場合には、「ただ体操をする」のではなく、構成にそっての進行をおすすめします。
例えば、
- あいさつと体操の目的を伝える
- 介護予防体操・ご当地体操といったメインの体操
- 場の一体感が生まれる内容の体操(歌いながら足踏みなど)
- 終わりのあいさつ
目的を達成するための体操は、1セットで終わらず、ひと呼吸おいて2セットするなど重点的に行うようにします。繰り返すことで、割り当てられた体操時間いっぱいのサービス提供が可能になります。
季節に合わせたおすすめの高齢者体操

特に施設で生活しているご高齢者は、管理された室温の中、四季の移ろいを感じる機会が少ないです。認知機能の影響によって日付や場所、季節がいつであるか分からないという状況の方もおられます。
そのような背景もあり、現場では季節を感じていただけるような行事や歌、季節をテーマにした体操や創作活動を工夫しご高齢者へ提供されていることと思います。ここでの情報が、季節の体操に関しての新たなヒントとなれば幸いです。
正月
- 「すごろく体操」
模造紙に、マスを書くまたは台紙とは色の違う画用紙を貼ります。そのマスに各種お題を書き込みます。
例えば、足踏み30回・バンザイ3唱・膝を伸ばして10秒止める。その他、好きな食べ物は?初恋の人は?干支の鳴きまね、「1月1日」をみんなで歌うなど体操以外のお題を交えてすごろくを準備します。
大きなサイコロと、今どこに止まっているかが分かる目印の準備をお願いします。 - 「おみくじ体操」
「首吉:ゆっくりと首回し運動8回でお金に困らず」「もも吉:もも上げ左右交互に20回で転ばぬお守り」など読んで楽しいおみくじ風のメッセージを、ご高齢者の読みやすい大きさで記載します。A4半分程度、黒くはっきりしたマジックが良いでしょう。
その紙を結ぶように折って箱に入れます。順番に引いて開けて、さらにくじを引いたご本んに読み上げていただくと、おひとりおひとりが主役になれます。
春
リトミックスカーフ、をご存じでしょうか。
カラフルで柔らかいシフォンのスカーフは、春の花や優しい春風を連想させます。
このスカーフを持って、春の歌に合わせて動かしたり、結んだり、つなげたり。心が躍る感覚がよみがえってきます。
60㎝×60㎝、10色セットで700円ほど。道具の準備入りますが、体操のほかレクリエーションでも活用できます。わたしがこのスカーフと出会ったのは、音楽療法士のセッションの中でした。まさに表現活動の要素も取り入れられます。
夏
夏祭りや盆踊りのシーズンです。地域で受けつがれてきた民謡や踊りは、ご高齢者にとってなじみがあり、おすすめです。
介護現場では、普段は腰かけて過ごしている人が、立って踊りだすという場面に何度も出会いました。
また、立って踊れなくとも腰かけたまま、手振りをおこなうことも可能です。
先輩方から踊りを教わり、若手が覚えていくという伝承の機会にもなることでしょう。
秋
〇〇の秋、〇〇に入る言葉に合わせて体操を企画します。
- 食欲の秋…嚥下体操やシェイプアップという前置きで有酸素運動
- 読書の秋…有名な詩や作品の冒頭などの音読トレーニングや目の体操
- 実りの秋…果物を想起しながら足踏み。ひとりの人が答えたら、次の人。果物が思いつくまでずっと足踏みを続ける。
クリスマス
クリスマスソングに合わせた体操はいかがでしょうか。
≪曲名≫≪体操≫ で検索します。振付の解説から丁寧に編集されている動画のほか、各種体操がユーチューブにアップされています。
まず一緒に歌う、次に振付を区切って練習。振付をつなげて練習、最後に曲に合わせる。と段階を分けると、運動量も確保できます。
高齢者体操が盛り上がるリードの方法

体操が盛り上がらないという場合、デイルームなど「その場の雰囲気」は重くどんよりしているのではないかと想像されます。ここでは、活気ある場づくりのための声かけ方法、効果を高める関わり方、体操のリードのコツをお伝えします。
①リードのかけ声
体操説明の後に「さんハイ!」「せーの!」と呼びかけ、心構えの間を参加者にお渡ししてから1・2・3・4…と数え始める。そうすると息が合い一体感が生まれます。「それでは足踏みをします。回数は20回。さんハイ!1・2・3・4…」
反対に説明に連なってそのまま体操を始めるとメリハリがなく間延びします。例えば「それでは足踏みをします1・2・3・4…」は、好ましくないリードです。
なお「さんハイ」「せーの」というかけ声は、通常の話し方よりも、よりハッキリとした口調で行います。ここでメリハリをつけ、場を盛り上げていきましょう。
②易しい体操とやや難しい体操を混ぜる
人が最も夢中になるのは、やや難しい課題に取り組むときです。
「私には無理」と思わせないどなたにもできる体操と、簡単すぎて飽きることのないやや難しい体操を混ぜます。
簡単な体操の例…手やひざを叩く、ぐーちょきぱー、足踏み
やや難しい課題の例…簡単な体操であっても、組み合わせて同時に行ったり、ひとつの体操の回数を多くすることでチャレンジしがいのあるものに変わります。
上記の体操を用いるならば、足踏みをしながらグーチョキパーをする。足踏みをしながらグーチョキパー手を叩き、グーチョキパー膝叩きといった具合です。
③体操の説明方法
視覚障害をお持ちの方がいない場合には、見てわかる体操は方法の説明を長々とはしない、ということがポイントです。参加者の多くは言葉での説明を聞いて動くというよりは、動作をまねて体操を行っています。
望ましくない例:「指折り数えをします。親指から順番に人差し指、中指、薬指、小指、1~10まで数えながら行います。両手を一緒に動かします」
全く初めての方がおられるならこれほどの説明も必要かもしれませんが、簡単な体操を長々と言葉にすると場を重くします。
リード役が両手を大きく掲げて「次は指折り数えです。1~10までせーの!1・2・3・4…」とこれだけで体操は順調に進みます。
また、説明のうち、相手の困り事や生活に関連する「体操の目的」は意欲を高めると考えます。「次はかかと上げです。ふくらはぎが鍛えられ転びにくくなります。またむくみにも効果があります。では20回、せーの!1・2・3・4…」
④自分の立ち位置を変える
リードの際、自分自身の立ち位置を意識したことはありますか?
ご高齢者は、リード役が行う体操の動きをまねしようと注目しています。参加者の姿勢に合わせてリード役も椅子に座って体操をすることは「まったくそのまま真似する」という点で分かりやすいと言えます。
一方、立ってリードを行うと遠くの方にも見えやすく、さらには時々位置を変えて参加者に近づいたり動いたりすることで相手の注意を引きつけておくことができます。
⑤導入の言葉
導入において体操の目的を伝える際「前向きな言葉をおかけする」ことを心掛けてみて下さい。体操を盛り上げたいと考えるのであれば、楽しい気持ちやワクワク感、希望を感じる雰囲気を表現し伝えていくことが大切です。
≪前向きな言葉の例≫
- 今から体操を始めます。この30分間は、皆様と活気ある元気な時間を過ごしたいと思います。よろしくお願いします。
- 今日のこの体操を通して、生活の動作、例えば椅子から立ち上がる、着替えをするといったことがスムーズに行えるよう、一緒に取り組んでいきましょう。
- ひとりでは声を出したり、運動をしたりという機会が少ないと思います。今日のこの時間はぜひお互いに楽しみながら体操にチャレンジしましょう。
- 今から行う体操の目的は介護予防、認知機能の維持です。この先も身の回りのことが自分自身で続けられるよう、実践していきましょう。
といった具合です。
まとめ
より盛り上がる効果的な高齢者体操を姿勢別、所要時間別、季節ごとにご紹介しました。
わたしが勤務した3つ目の職場での仕事は、認知症をお持ちの方に対する集団療法がメインでした。口腔体操のリード役が毎日、加えて午後からの活動でも週2~3回体操のリードを担うという状況。
初めのころは、体操の種類と説明をメモ書きし、ひとつひとつ見ながら進めていました。終わった後は大量の脇汗。ご参加者の目に見えるリアクションに一喜一憂していたことを思い出します。
場数を重ねることで、メモ書きがだんだんと不要になりました。そして、ご参加者の動きも声も大きく、「みるからに活気ある状況」だけを追い求めなくなりました。
目を閉じていても体操のかけ声を聴いている、かけ声に合わせてうなずいている、プログラムの一部分にご参加されていたというように、その方それぞれの参加の方法があると気づいたのです。
自分自身の進行の良し悪し、成功不成功に関心を向けるのではなく、お相手が参加しやすい方法は何か、伝わりやすい声かけの仕方はどのようなものか、その方法を身につけるためにこの記事をお役立てください。
高齢者体操を担うあなたが今よりも肩の力を抜いて楽しくリードできることを願っています。
