接遇セラピー
言葉とふるまいで心を癒す
受講生に学んだこと

決意が決意を呼ぶ瞬間


「魂の痛み」という言葉との出会い

「スピリチュアルペイン」という言葉を初めて知ったのはいつだったのか。
作業療法士養成校での授業だったのか、整形外科での痛みに関する勉強会だったのか、あるいは緩和ケアの学びの中だったのか。はっきりとは思い出せません。

魂の痛み——。そんな痛みが存在することに驚き、そして、これまでの知識よりもはるかに深く「人間とは何か」を見つめる世界があることに、胸が震えるほどの歓びを感じました。


人が抱える深い問いと、それに寄り添うケア

生きる意味への問い、死への恐怖、自責の念、死生観の迷い。
これらが「スピリチュアルペイン」と呼ばれます。

そしてそれに寄り添う「スピリチュアルケア」とは、
「なぜ生きているのか」「なぜ私だけが苦しまなければならないのか」「何のために生きているのか」——
そんな問いに正面から向き合い、人が人生のあらゆる出来事に価値を見いだせるよう支えることです。


接遇セラピーとのつながり

わたしが提唱する「接遇セラピー」もまた、この領域に深くつながっています。
それは、生きる喜びや希望を感じられるように、相手の自己選択を尊重する言葉とふるまいで心を癒すこと。


一人の受講生が示してくれたもの

ある受講生Nさんは、ベーシックコース修了後、アドバンスコース受講を希望していました。
しかし、費用(88,000円)を知った瞬間、迷いが生まれたといいます。

それでも数日後、Nさんから届いたのは「受講します」というお返事。
驚いたのは、それに伴う別の報告でした。
受講すると決めてから、5年間も葛藤してきた人生のある事柄に、はっきりと答えを出すことができた、というのです。


価格設定の勇気が生んだ波紋

その話を聞いたとき、わたしは胸の奥が熱くなりました。
わたしが講座の価値を信じて価格を決めた勇気が、受講する・しないとは別のところで、誰かの人生に深い決断をもたらした——。

そして不思議なことに、その出来事が今度はわたし自身の決意を呼び起こしました。
それは、「スピリチュアル」という言葉をもっと堂々と、講座や活動の中で前面に出していこうというものです。


接遇セラピーとスピリチュアルの未来

スピリチュアルな分野と接遇セラピーは、別物ではありません。
魂を癒し、生きる力を育み、人の生を支えるものは何かを探究する——その本質は同じです。

わたしはこれからも、自分自身の魂と正面から向き合いながら、誰もが身近に気軽にスピリチュアルケアを語り合える未来をめざして歩んでいきます。